ABC検診とは?

血液検査による胃がんリスクスクリーニングのことです。胃がんそのものを見つけ出す検査ではありません。胃がんにはヘリコバクター・ピロリ菌の感染とそれに伴う胃粘膜の萎縮が強く関与しているものがあることがわかっています。もし、ハイリスクグループの診断であれば、より積極的に胃内視鏡検査を受けていただくことが必要と判断できます。

なお、以下に該当する方は結果が正しく出ない場合がありますので、ご自身の主治医へご相談ください。

  • 一部胃薬を服用中の方
  • 胃切除後の方
  • 過去に除菌治療をした方

ABC検診のメリット/デメリット

メリット

血液検査でわかるので、検査を受ける方の負担が少ない。ピロリ菌に感染していた場合、除菌することにより、胃がんの発生を抑制することもできる

デメリット

低リスクと診断されても完全に胃がんのリスクがなくなるわけではない

ピロリ菌とは

主に幼少期に感染し胃の中に棲みついて胃炎を起こす細菌です。 胃炎を繰り返すことで胃粘膜を萎縮させ胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんの発生に強く関与します(感染しているからといって必ず胃潰瘍や胃がんが発生するわけではありません)。
ピロリ菌感染の有無は、血液検査でピロリ菌抗体価を測定することでわかります。
ピロリ菌に感染している場合は陽性(+)として表されます。

ペプシノゲン法とは

ペプシノゲンは消化液の元になるもので、血中濃度を測ることで胃粘膜でのペプシノゲンの産生の程度がわかります。
血中ペプシノゲン量が少ない場合は胃粘膜が萎縮していることを示します。
胃粘膜が萎縮している場合は陽性(+)として表されます。