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お⼝の基礎知識
「8020運動」とは? 一覧へ戻る

What is an 8020 campaign?

「8020」は「ハチマルニーマル」と読みます。「8020運動」とは「80才で20本の歯を残そう!」 という厚生労働省のスローガンです。平成17年の調査では「8009」、平成23年の調査では「8012」、平成28年(2016年)の調査では「8015」と歯の残った数は増加していますが、まだまだ目標には届いていないというのが現状です。「80才で20本」というのは、「80才で20本以上の歯が あれば、何でも食べられ、楽しい食生活が送れます」という意味合いです。歯が多く残っていれば食べ物をよく噛むことができますが、よく噛むことには次のよう な効果があります。

  • 01

    唾液の分泌を高め、食べ物の消化吸収を助けます。これにより胃腸への負担が小さくなります。

  • 02

    唾液成分の中には発がん物質の発がん性を抑える働きがあるため、がん予防にもなります。

  • 03

    脳の働きを活発にするため、認知症の予防効果もあります。

年代別一人平均残存歯数(2016年調査)年代別一人平均残存歯数(2016年調査)

平成28年歯科疾患実態調査より引用・改変

上の年代別一人平均残存歯数のグラフから、40~50才代以降急激に残存歯数が減少していることが分かります。つまりこの頃から歯を抜く本数が増えているということです。結局80代では約15本の歯が残っているだけです。
 一方40才以降に歯を抜く原因のほとんどが歯周病によるものであることが分かっています。成人の歯周病の大半は、30才くらいから自覚症状もなく発症し、年令とともにゆっくり進行します。むし歯のような、明確な症状が現れにくく、深く静かに進行します。そのため歯周病はサイレントディジーズ(Silent disease)ともいわれています。自覚症状が現れた時には、もう手遅れとなってしまいます。
やはり「8020」達成のためには、むし歯や歯周病を予防していくことが何よりも大切です。