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子供の歯
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Oral health of youth

思春期のお口の変化

中学生から高校生にかけての思春期では、自我、独立心がめばえ、親の言うことを素直に聞き入れにくくなる時期です。歯みがきがおろそかになったり、買い食いや友達づきあいからお菓子や清涼飲料水を摂る機会が増え、夜更かしによる夜食、朝寝坊による朝食抜きが増えたりなど、家庭や学校での生活が変化し、お口の中の環境が悪化する時期でもあります。また歯科医院からも遠ざかり、むし歯に気づかずに重症化するケースも多発します。
むし歯だけでなく、特にこの時期に増えてくるのは、歯周病の初期症状である歯肉炎です。また第2大臼歯(12歳臼歯)が生えて永久歯が全部生えそろう時期で、歯並びも気になってくる年代です。

思春期のお口の変化

歯肉炎にご注意!

歯周病というと成人、特に中高年の病気と思われがちですが、実は小学生から中学生にかけて、歯肉に限局した炎症である「歯肉炎」が発症し始めているのです。歯肉炎にかかると、歯肉の色が赤みを帯びていたり、本来三角形の歯と歯の間の歯肉が丸くなっていたり、歯みがきすると血が出たりします。これは歯周病菌を含む歯垢に対し、身体の防御反応として毛細血管が増え、白血球が細菌と戦っているために起きる症状です。
通常の歯肉炎は正しい歯みがきやフロス(糸ようじ)の使用で容易に治せる病気です。ただ、大半は放置され、年齢を重ねる内に進行してしまう病気なので、早い時期に歯肉炎に気づき、歯周病改善・予防のための正しいケア方法を習得しておく必要があります。

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歯の並び方

上の前歯が少しだけ下の前歯より出ていて、上下方向にも少し重なっている状態が正常な歯並びです。悪い歯並びとしては、上の歯が過度に前に出ている上顎前突(出っ歯)、下の歯が前に出ている下顎前突(反対咬合、受け口)、歯がでこぼこに並んでいる叢生(そうせい)(乱ぐい歯)、前歯がかみ合わなくて空いている開咬(かいこう)などがあります。また、学童時から思春期にかけての顎の成長期に、頬杖をつく癖があったり、偏ったかみ方をする癖があったり、同じ方向にうつ伏せ寝する習慣があったりすると、顔面が左右非対称になることもあるので注意が必要です。歯並びが悪いと、単に見た目の問題だけではなく、うまく食べ物がかみきれずバランスのよい栄養が摂れなくなる、発音に影響が出る、歯みがきがしにくいためむし歯や歯周病になりやすい、などの弊害が出ます。
矯正を始めるタイミングとしては、上下の前歯が4本ずつ生えそろった段階(小学校2~3年生ごろ)と永久歯が生えそろった段階(中学1~2年生ごろ)です。前者は成長にあわせて歯列矯正を行なえるので最も簡単ですが、本人の歯並びをなおす意思が強くないと、装置を使えないケースがあったり、複雑な矯正装置を入れたことで口の中が不衛生になり、むし歯が多発してしまうこともあります。一方、後者の場合、本人も歯並びをきれいにしたいという意識が強く、また適切な指導さえあれば、歯みがきが上手に自分で行なえるので、安全に歯列矯正を行なえる時期でもあります。ただ、あまり時期にこだわらずに、気になった時に、歯科医院で相談してみると良いでしょう。

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