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むし歯
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Xylitol

歯を守るキシリトール!

1975年に世界で初めて、キシリトールのむし歯予防効果を証明する研究が発表されました。日本では1997年4月に、キシリトールという人工甘味料が厚生労働省から安全な食品添加物として認可されました。現在では、キシリトールを甘味料に使用したガム、タブレット、歯みがき剤、洗口剤 などいろいろな商品が発売されています。
キシリトールは、白樺、樫、とうもろこしの芯などからも精製される天然素材の甘味炭水化物です。私たちの身近にあるものでは、プラム、カリフラワー、い ちご、ほうれん草にも含まれています。砂糖とほぼ同じ甘さで、砂糖より溶け方が早く、口の中で溶ける際には、口中の温度をわずかに下げるのでさわやかな冷感(ヒヤッとした感じ)があるのが特徴です。

キシリトール

キシリトールはなぜむし歯を作らないの?

むし歯の原因は、細菌のかたまりである歯垢(プラーク)です。この歯垢の中のむし歯菌(ミュータンス菌など)が、取り込んだ糖を分解して、むし歯の原因となる酸を作ります(図1)。一方、ミュータンス菌はキシリトールを取り込むものの、それを分解できないためむし歯の原因となる酸を作ることができません。それどころか、自分の栄養にならないキシリトールを体の外に排出しようとしてエネルギーを使い果たして疲労してしまうため、むし歯を増やすことができず、ミュータンス菌は減少していきます(図2)。その結果、キシリトールはむし歯を作らない働きをすると言われています。

キシリトール製品でむし歯予防を!

砂糖入りガムやアメ(特にノド飴)は最もむし歯を作りやすい食品の1つです。子どものおやつの菓子類、ストレス解消や禁煙のために常用しているガムや飴をキシリトール製品に変えてみると、むし歯のできる危険性が少なくなります。しかしキシリトールだけでむし歯予防ができるという考え方は危険です。あくまでもキシリトールはむし歯予防の補助的手段の1つであり、正しいブラッシングの習慣と食生活(おやつを含む)がむし歯予防の基本です。

キシリトールの量とむし歯予防効果

キシリトール製品に含まれる、キシリトールの量が多いほどむし歯の予防効果は高くなります。使用されている甘味料の成分の50%以上がキシリトールで、キシリトール以外の甘味料成分もむし歯の危険性の少ないもの(ソルビトール、マルチトールなど)が使われていれば、むし歯予防に効果があります。

フッ素を使えばむし歯にならない?

キシリトール入り製品の摂取法

なめ方

タブレットを含んだ時に唾液は飲みこまず、歯と歯の間、歯と歯肉の間を潤し、十分いきわたるようにします。

噛み方

ガムは5~10分間噛んで、歯に唾液が十分いきわたるようにします。

キシリトールと唾液分泌の相乗効果

キシリトール入りガムを噛んだり、タブレットをお口に含んだりすることにより、唾液分泌の促進(むし歯抑制に効果あり)も起こり、これらが相まってむし歯予防効果が発揮されると考えられています。

キシリトールと唾液分泌の相乗効果