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口内炎とは?

歯肉や頬の内側に中央部が浅くへこんで、2~10mm程度の丸く白っぽい潰瘍ができるもので、「アフタ性口内炎」と言われます(図1)。食事の時にしょうゆやドレッシングなどがしみたり、食べ物が触れるだけで痛むため、噛んだり飲み込んだりするのがつらくなります。

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図1 アフタ性口内炎

口内炎の種類と原因は?

01

アフタ性口内炎

口内炎の中で最も多いのが、ストレスや疲労により免疫力が低下してできる「アフタ性口内炎」ですが、実ははっきりとした原因はわかっていません。アフタ性口内炎は1週間程度で自然に消えますが、なかなか治らない場合はアフタ性口内炎ではなく、別の病気である可能性もあります。

02

カタル性口内炎

外傷や熱傷などにより粘膜に赤く炎症を起こす口内炎です。誤って頬の内側を噛んでしまった場合や、合わないかぶせ物・入れ歯や歯の矯正装置が粘膜に触れてできた傷や薬品などによる刺激が原因となります。

03

ウイルス性口内炎

単純性ヘルペスウイルスやカンジダ菌などが原因で口内炎ができることもあります。ウイルス性口内炎は、粘膜に小さな水ぶくれができ、破れると潰瘍になります。他の口内炎に比べて痛みが強く、発熱や倦怠感を伴う場合もあります。ウイルス性口内炎ができると、食事を摂取することが困難になるため、水分摂取をしっかり行うことが必要となります。

口内炎への対応

01

まずは、お口の中を清潔に保ちます

お口の中が不潔であると、細菌が繁殖して免疫力が低下してしまいます。清掃が困難な場合もありますが、できる限り丁寧なブラッシングやうがいを心掛け、お口の中を清潔に保ちましょう。

02

睡眠不足や栄養バランスに注意する

夜更かしや不規則な生活は大敵です。過労を避けて、十分な睡眠をとりましょう。またバランスの良い食事、特にビタミン類(A,B2,B6,C群)を多く含んだ食品を摂るように心掛けましょう(図2)

03

お口を傷つけない

歯ブラシで粘膜を傷つけることもあります。歯ブラシは硬すぎず、適度な大きさのものを選びます。また合わない入れ歯やかぶせ物などは早めに調整してもらいましょう。

04

お口の乾燥を防ぐ

唾液には殺菌作用もありますが、お口が乾燥していると粘膜の免疫力が低下して口内炎になりやすいとされています。十分な水分補給を心掛けたり、唾液分泌を促進するためにガムを噛んでも良いでしょう。

(図2)口内炎と食事の関係

口内炎ができているときには?

熱いもの、硬いもの、塩味や酸味が強いものや香辛料を含み刺激の強いものは、口内炎の症状を悪化させるので避けましょう。 軟らかい食べ物や液体など喉を通りやすいものを食べましょう。

口内炎になりにくい食事は?

粘膜の代謝を良くするビタミンB2、B6 群、また粘膜の働きを保つビタミンA、C群を積極的にとりましょう。

一般的には口内炎は休養を取ったり、栄養バランスを整えたりすることで、自然に消失します。しかし、長期的に続く場合(10日以上)や広範囲で発生している場合、発熱などの全身症状を伴っている場合などには、早めに医療機関を受診しましょう。

口内炎の治療法

01

薬物療法

口内炎の治療には、一般的には殺菌・消毒効果、抗炎症作用のあるステロイドを含有した軟膏が使用されます。塗り薬以外にも、薬が流れ落ちないようなフィルム状のタイプや錠剤を貼るタイプ、またお口の奥に使いやすいスプレータイプもあります。なお、ウイルス性口内炎では、原因となっているウイルスに効く抗ウイルス薬を使用します。

02

レーザー治療

口内炎に対するレーザー治療は、平成30年4月より健康保険が適用されましたが、「再発性アフタ」が適応です。殺菌・消炎鎮痛・組織の活性化などの効果があるレーザーを使用しますが、これにより痛みが軽減され、治癒を早める効果があるとされています。

口内炎ができた時には、自分の身体が発信したSOSだと考え、ふだんの生活を見直してみましょう。