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Wisdom Tooth

自分も知らない親知らず

人間の歯は全部で32本ありますが、上下左右の一番奥の歯4本が第3大臼歯、いわゆる親知らず(智歯)です。個人差はありますが、親の手を離れた20歳前後で親の知らぬ間に生え始めます。現代人は古代人と比較して、食品の形態など食生活の変化により顎が退化して小さくなったために、まっすぐ生える親知らずのスペースが足りなくなるため、下記のようなトラブルが起きるようになりました。奥の方でよく見えないこともあり、親知らずが生えていることに自分でも気づいていない方もいます。

親知らずが原因となるトラブルは?

  • 1

    きちんと生えていないために、歯ブラシがうまく当たらず、親知らずや手前の歯がむし歯になりやすい(図1)。

  • 2

    親知らずを覆っている歯ぐきが炎症を起こし、局所的な歯周病(智歯周囲炎)になる。これが口臭の原因にもなる。

  • 3

    親知らずが手前の歯を強く押して、歯並びを悪くする場合もある。

親知らずが原因となるトラブルは?

図1

親知らずは抜歯した方がいいの?

歯科事情が分からない出張先や、重要な仕事の追い込み時などに限って親知らずが痛み出すことが多いのは、疲れやストレスなど身体の抵抗力が落ちた時に炎症が起きやすいからです。親知らずが完全に顎の骨の中に埋まっていて症状がない場合や、きちんと生えて上下がしっかりかみ合っている場合は抜く必要がありませんが、日頃からきちんと歯科健診を受け、不具合のある親知らずは早めに処置しておくことも大切です。
ただし、妊娠中に親知らずが痛み出すと大変です。治療に様々な制限があり、抜くに抜けない、痛みを抑えられないといった大変厄介な状況になってしまいます。従って、将来トラブルのもとになりそうな親知らずは抜いておいた方が良い場合もあります。また炎症が起きて痛んでいる親知らずはすぐに抜くことができません。抗生物質で炎症を抑えてから、抜歯することになります。なお、親知らずは一般の歯科医院でも抜歯できますが、難しいケースは総合病院や大学病院付属の口腔外科で抜歯する場合もあります。

親知らずは抜歯した方がいいの?