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Hypersensitivity

知覚過敏症とは?

正確には「象牙質知覚過敏症」と呼ばれ、特にむし歯になっているわけではないのに、冷たいものを飲んだ時に「ピリッ」とくる痛みです。4人に1人はこの知覚過敏症を経験していると言われており、他にもブラッシング時や、甘いものや果物を食べた時などに痛むことがあります。象牙質には象牙細管と呼ばれる細い管が多数存在していますが、象牙質がむき出しになると、外部からの様々な刺激が、この象牙細管を通って歯の内側の神経(歯髄)に伝わり、「短く鋭い痛み」を感じるようになります(図1)。

気になる口臭

図1 知覚過敏症のメカニズム

知覚過敏症の原因は?

知覚過敏症が起こる原因としては、以下のような場合が挙げられます。

  • 1

    誤ったブラッシング法で歯を削ってしまっている、また歯肉がやせて(退縮)しまっている場合

  • 2

    かみ締めや歯ぎしりなどの影響により、歯のエナメル質が摩耗して象牙質の露出が生じている場合

  • 3

    加齢や歯周病の進行などにより、歯肉が退縮して歯根の象牙質が露出している場合(図1)

知覚過敏症

知覚過敏症への対応

知覚過敏症の原因となるものをできるだけ取り除くことが、そのまま予防法や治療法になります。
一度歯科医院で知覚過敏症の原因を調べてもらい、ご自分に適した対応方法などをアドバイスしてもらいましょう。
一般的には以下のような、対応方法があります。

01

ケアグッズの見直し

歯ブラシの毛が硬すぎるものは歯を削ってしまう可能性が高くなりますので、適切なケア用品を使いましょう。

02

ブラッシング方法

ブラッシング圧が強すぎるとエナメル質を削ってしまったり、歯肉の退縮を起こしてしまいます。また短時間のブラッシングは動きが大きくなって、歯や歯肉を傷つけやすいので、じっくり時間をかけてやさしくブラッシングしましょう。

03

知覚過敏用歯みがき剤の使用

これを謳った歯みがき剤は多数市販されております。いずれも即効性はありませんが、2週間程度継続して使用しているうちに、歯みがき剤に含まれる成分の作用により歯がしみにくくなってきます。開いた象牙細管を塞いだり、イオンバリアを形成するためと言われています。

04

歯科治療

  • フッ化物の局所応用(イオン導入)や専用薬剤のコーティング等を行い、開いた象牙細管を塞ぎます。
  • 歯の付け根などに大きなくさび状欠損(図2)が生じているような場合には、歯科医院で樹脂を充填します。
  • しみる症状が強く痛みが持続する場合は、歯の神経(歯髄)を取る場合もあります。

知覚過敏症は様々な要因から発症しますが、最近ではかみ合わせの不具合が知覚過敏症の原因となることも分かってきました。かみ合わせの調整で知覚過敏症状が軽減するようなケースもあります。自分で判断せず、歯科医院でよく相談して、適切な対応が行えるようにしましょう。

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図2 くさび状欠損