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プラークコントロール
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Interdental cleaner

なぜ歯と歯の間のケアが必要なの?

歯ブラシだけで除去できる歯間部の歯垢はおよそ60%程度です(図1)。しかし歯と歯の間のケア(歯間清掃)も行うことにより、80~85%以上の歯垢が除去されると言われています。実はむし歯や歯周病が一番発生しやすいのは歯垢が残りやすい歯間部なので、むし歯や歯周病の予防のためには歯間清掃が必須となります。

歯ブラシの持ち方

図1 ※高世ら 日歯保存誌 2005年 より引用・改変

デンタルフロスの選び方

歯の隙間が狭い場合にはデンタルフロス(図2)を使用します。糸巻きフロスにはワックス付きと、ワックスなしのものがあります。清掃力が高いのはワックスなしですが、慣れないうちは歯間を通しやすいワックス付きのものが良いでしょう。なお、糸巻きのフロスが難しい場合には、ホルダー付きフロスもあります。これには使い捨てタイプと何回も繰り返し洗って使えるタイプがありますが、特に奥歯に使いやすく繰り返し使えるY型フロスがお勧めです。

デンタルフロスの選び方

図2 デンタルフロスの種類

デンタルフロスの使い方

フロスを40cm ほどの 長さに切り出し、左手の中指(人指し指ではありません)に2,3回巻き、両手の間隔が10~15cmくらいになるように右手の中指に巻きつけます。そして左右の親指と人差し指を組み合わせて1~2cmの間隔で糸をピンとはります。部位ごとのフロスの持ち方(図3)と動かし方(図4)を示します。2~3箇所の歯間を清掃したら、中指の糸を順に巻き送って新しい部分を使っていきます。

デンタルフロスの選び方デンタルフロスの選び方デンタルフロスの選び方デンタルフロスの選び方

デンタルフロス 使用上の注意点

  • 歯間清掃は1日1回ブラッシングの前後どちらのタイミングで行っても良いですが、歯間清掃を習慣化するためには、先にしてしまうのがお勧めです。

  • 最初のうちは鏡を見ながら、フロスが正しく挿入されていることを確認しましょう。

  • フロスが抜けなくなった時には、指に巻きつけているフロスを片方はずして、横から引き抜きます。

  • 歯のつめものなどにフロスがひっかかる場合には、むし歯になっていたり、歯石が残っていることもありますので、歯科医院で相談しましょう。

歯間ブラシの選び方

歯の隙間が大きい部位に使用するのが歯間ブラシです。歯間ブラシには、毛先の大きさによってSSS、SS、S、M、L、LLといった数種類のサイズ(最小通過径が0.7~2.0mm程度)があります。まずは歯と歯の間に挿入した時、ほんの少しだけ抵抗を感じる程度(軽く歯肉を押す程度)のサイズを選択します。なお一番細い歯間ブラシが挿入できない時にはデンタルフロスを使用します。また歯間ブラシの柄の形態にもいくつか種類がありますが、奥歯に使いやすいアングル型(L字型)がお勧めです (図5)

デンタルフロスの選び方

図5 歯間ブラシの種類

歯間ブラシの使用方法

前歯と奥歯への使用方法を示します(図6と7)。ブリッジは欠損した部分の両隣の歯を使って“橋渡し”を行う治療法ですが、つなげた歯の部分はデンタルフロスを上から通すことができないので、歯間ブラシを使って清掃します(図8)。
なお、歯間ブラシは使い捨てではないので、使用後には流水下ですすぎ洗いして、風通しの良い所で毛先を乾燥しましょう。また、ブラシの毛先が傷んだり、ワイヤーが曲がってしまったら、早めに交換しましょう。

歯間ブラシの使用方法歯間ブラシの使用方法

歯間ブラシ使用上の注意点

  • 歯間ブラシもフロスと同様に最初の内は鏡を見ながら、正しく挿入されていることを確認しましょう。

    「歯間清掃用具の使用でかえって歯の隙間が広がらないか?」という質問をよく受けます。大半の方は歯肉が腫れているため、この隙間がふさがっていますが、歯間清掃により歯肉が引き締まって健康になり、本来の隙間が見えてきます。

  • 歯間清掃用具の使い始めは、歯肉から出血することが多いですが、これは歯垢が取れきれずに細菌がまだ残っていて炎症を起こしている証拠です。歯間清掃により細菌の数が減り炎症がなくなると血も出なくなりますので、使用をやめずに続けましょう。ただし、痛みを伴う場合は歯間清掃用具で歯肉を傷つけている可能性があるため、もう一度歯科医院で適切なサイズや使用方法をアドバイスしてもらいましょう。