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歯科なんでも事典で調べよう ブラッシングの害

プラークコントロール
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Harm of the brushing

間違ったブラッシングをすると?

ブラッシングをすることはむし歯や歯周病の予防に大変有効ですが、方法を間違えてしまうと歯や歯肉を傷つけてしまいます。

歯ブラシによる害

歯肉退縮

乱暴なブラッシング、力の入れ過ぎ、毛先の広がった歯ブラシの使用により起こりやすくなります。

擦過傷

いわゆる「みがき過ぎ」によってできる傷で、口腔粘膜や歯肉に損傷を生じます。原因は歯肉退縮と同様ですが、歯ブラシを新しく替えた時や毛先が劣化した古い歯ブラシ(特に電動歯ブラシ)、硬毛の歯ブラシを使用した場合にも起こりやすくなります。

クレフト

歯肉にできた垂直型のV又はU字型をした裂け目のことであり、過度の力を加えた縦みがきと、それに伴い停滞するプラーク(歯垢)が原因と考えられます。ただし、咬み合わせの異常によって起こる場合もあります。

フェストゥーン

歯肉の縁が浮き輪状に盛り上がった歯肉の形態異常です。主に犬歯付近に生じますが、クレフトと同様に、主に誤った方法によるブラッシングや力の入れ過ぎによって起こります。

歯ブラシと歯みがき剤の併用による害

楔状欠損

歯がくさび状(楔状)に削られてしまったもので、歯肉沿いの歯の部分にできます。原因は粒子の大きい研磨剤を含有した歯みがき剤の使用、歯みがき剤の使い過ぎ、ブラッシング時の力の入れ過ぎです。痛みを感じないこともありますが、知覚過敏を起こしやすく、削れてしまった部分は自然に回復することはありません。

皿状欠損

歯が皿のように削れてしまったものですが、原因は楔状欠損と同じです。特に電動歯ブラシを使用する方に多く見られます。

デンタルフロスや歯間ブラシによる害

デンタルフロス(糸ようじ)では、糸を強引に通過させると歯肉に線状の傷をつけることがあります。
また歯間ブラシは挿入する方向を誤ると、中心の針金の先端を歯肉に突き刺して傷つけてしまうことがあります。
歯の隙間に合っていないサイズの歯間ブラシの使用により傷つけることもあります。

正しい使い方を!

どんなに時間をかけてブラッシングをしても、使い方を誤っていては元も子もありません。
歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシを正しく使いましょう。
歯ブラシをお使いの際、つい力を入れてしまっていませんか?
適当なブラッシング圧は100~200g程度の力です。新しくおろした歯ブラシの毛先が2~3週間で広がるようでしたら力の入れ過ぎと考えられます。一度、ご家庭にある調理用の計りで実験してみると良いでしょう。

デンタルフロスや歯間ブラシによる害

また、歯ブラシの持ち方をペングリップ(鉛筆のように持つ方法)にしましょう。
手首を使って軽やかにブラシを動かすと力のコントロールがしやすく、より細やかなみがき方ができます。

デンタルフロスや歯間ブラシによる害