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むし歯
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Substitute Sweetener

むし歯予防に「代用甘味料」?

むし歯は食品中の糖類をむし歯菌が分解して酸を作り、この酸が歯を溶かして穴があいてしまう病気です(詳しくはむし歯の原因と予防を参照)。そこで、間食にはむし歯菌が酸を作り出さないようなものを食べて、むし歯の発生を抑えることが有効であり、そのために、砂糖に代わる代用甘味料が使われるのです。

むし歯予防に「代用甘味料」?

上手な代用甘味料との付き合い方

図1のように、「糖」には単糖類、二糖類(砂糖はこれにあたります)、糖アルコール等に分類される糖質系甘味料と、それ以外の非糖質系甘味料の2つに分けられます。
単糖類、二糖類はむし歯の原因である酸を作りますが、糖アルコール類、非糖質系甘味料は、酸を作りませんので、むし歯の原因とはなりえません。
しかし、糖アルコール類は砂糖に比べて甘味が少ないという問題があります。砂糖100の甘味に対して糖アルコールは40~80程度の甘味しかありません。足りない甘味を補う必要が出てきますが、糖アルコールのキシリトールは砂糖と同等の甘味があるので、甘味を補う必要がなくなります。
一方、非糖質系甘味料は砂糖に比べ数百倍の甘味がありますので、少ない量で甘味を与えるという特徴をもっています。

つまり、糖アルコールに関しては、足りない甘味を何で補うのかが問題となってきます。
せっかくむし歯の原因となりえない「糖」を使用していても、足りない甘味を単糖類、二糖類で補っていればむし歯の原因となりうるのです。 何が入っているかも大事ですが、何が入っていないかも重要なのです。また、むし歯菌が消費する「糖」は、その量よりも、摂る頻度の方がむし歯発生と関係が深いことがわかっています。一度にたくさんの「糖」を摂るよりも、一日に何回も「糖」を摂る方がむし歯になりやすいのです。

上手な代用甘味料との付き合い方上手な代用甘味料との付き合い方

図1

栄養表示に注目!

平成27年(2015年)から施行された食品表示法により、容器包装に入れられた加工商品には栄養表示として、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量で表示)が必ず表示されるようになりました。炭水化物は糖質と食物繊維から成りますが、糖質中の糖類の成分量が表示されている物は、この値を確認しましょう。

栄養表示

ノンシュガー・無糖=砂糖なし?

糖類とは単糖類または二糖類で糖アルコールを含まないものを指しますが、この糖類が含まれていない物は「糖類無添加」、「砂糖不使用」と表示できます。一方、「ノンシュガー・無糖」は、砂糖が入っていないと思いがちですが、実は食品100g(飲料100ml)当たり0.5g未満であれば、砂糖が入っていても「ノンシュガー・無糖」と表示されます。厳密にはノンシュガー・無糖=砂糖なしではありませんが、選ぶひとつの基準にはなるでしょう。
むし歯は様々な要因が重なってできるものですから、代用甘味料だけでむし歯予防ができるという考え方は危険です。あくまでも代用甘味料はむし歯予防の補助的手段の1つであり、基本はむし歯の原因である歯垢を取り除くことです。その上で代用甘味料を上手に利用すれば、むし歯予防に有効と言えるでしょう。

ノンシュガー・無糖=砂糖なし?

このマークは・・・?

これは「歯に信頼マーク」といいます。むし歯になる危険ゾーンにならないお菓子を認定し、このマークがつけられます。
お菓子選びの選択肢にもなりますね。