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子供の歯
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Oral care for school age

6歳臼歯は「歯の王様」!

小学校に入る前頃から乳歯から大人の歯(永久歯)へと生え変わる時期になってきます。乳歯の後ろに生えてくる大きな歯が第一大臼歯です。
この歯は6歳頃に生えてくるので「6歳臼歯」とも呼ばれます。この6歳臼歯は永久歯の中で一番溝が深く、形も立派で、一番大きい歯です。かみあわせの中心となり、歯並びの基礎ともなります。また食物をかみ砕く力も最大で、その力はおよそ60キロにもなります。こんな理由から6歳臼歯は「歯の王様」と言われています。でも、この王様はとてもむし歯になりやすいのです。

6歳臼歯は「歯の王様」!

6歳臼歯がむし歯になりやすいワケ

6歳臼歯は気がつきにくい

6歳臼歯を乳歯と勘違いしたり、乳歯の奥に生えてくるので気がつきにくく、歯みがきができていないことがよくあります。仕上げみがきの時によく観察しましょう。

生えきるまでの期間が長い

歯が全部顔を出すまでに3~4ヶ月かかりますが、かぶさった歯ぐきの下に物がつまりやすいので、小さいヘッドの歯ブラシで丁寧にみがきましょう(図1)。
また上下の歯がかみ合うまでには1年半近くかかりますので、上下の歯がこすれて汚れが自然に清掃される作用(自浄作用)が期待できませんので、この時期のお手入れがとても大切になります。

生えきるまでの期間が長い

図1

6歳臼歯はかみあわせの溝が深く物がたまりやすい

歯のかみ合わせの深い溝に予防的に樹脂を流し込む方法(シーラント)があります。歯垢が歯の溝にたまるのを防ぎ、むし歯になりにくい状態になりますので、歯科医院で処置をしてもらいましょう

生えたての歯は、歯を溶かす酸に対する抵抗力が弱い

歯の表面は生えてから2年くらいかけて硬く強くなります。生えたての歯には、歯の質を強くするフッ素が有効です。歯科医院でのフッ素塗布やフッ素入りの歯みがき剤の使用がお勧めです。

6歳臼歯のみがき方

6歳臼歯は完全に生えるまでは、乳歯より背が低いため(図2)、うまくみがけません。イラスト(図3)のように歯ブラシをほっぺた側から入れて1本だけ横にゴシゴシ引っ張るようにみがきます。6歳臼歯(歯の王様)は、胸や肘を張ってみがきますが、えっへん!と王様が威張っているようです。そんなことから「王様みがき」と呼ばれています。

図2

図2

図3

図3

小学生になっても仕上げみがきを!

小学校低学年~中学年ではまだ親による仕上げみがきが必要です。6歳臼歯の清掃がポイントになります。
また乳歯が抜けて歯並びがデコボコになっている所は、歯ブラシを縦に当てて小さく動かしながらみがきましょう。小学校高学年になると乳歯が永久歯に生え変わり、6歳臼歯の後ろからは12歳臼歯(第二大臼歯)が生えてきます。この歯も6歳臼歯と同様に生え始めの時期には、丁寧な歯みがきが必要になります。
またこの年齢になると自分でみがくことはできるのですが、さぼり癖もついてくるので週に1回でも親がお口をチェックしてあげましょう。

また食生活にも注意が必要です。むし歯菌の大好きな糖分の摂取には注意が必要です。特におやつなどの「だらだら食い」は禁物、また炭酸飲料の過剰摂取にも気をつけましょう。

小学生になっても仕上げみがきを!