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Dry Mouth

口が乾く、口の中や舌がピリピリする、食事中によく水を摂る、といったように口が乾燥する症状を持つ人が増えてきました。
ここでは、この「ドライマウス」の原因や対処法をご紹介します。

ドライマウスとは?

「ドライマウス」とは文字通り、口の中が乾燥する病気で、さまざまな原因で唾液の分泌量が減るために発症します。ドライマウスになると唇や口の中の粘膜が荒れたり、舌がピリピリ痛んだり、会話がしづらくなったり、パンやビスケットなど乾燥した食品が口の中でくっつき、食べたり飲み込むのも難しくなります。一般的には中年期になると唾液の分泌量が減り、口が乾く傾向にはありますが、若年層でもドライマウスになることがあります。
診断は固形のパラフィンやガムを咀嚼させ、10分間の唾液の分泌量で測定します。20mL以上が正常、10mL以下の場合はドライマウスと判定されます。

ドライマウスとは?

ドライマウスの原因は?

発熱や下痢、飲酒や極端の緊張、興奮で口が乾くのは経験したことがあると思いますが、これは一時的なものです。
問題は下記のようにそれが持続した状態になることです。

01

ストレスによる
精神的な緊張状態

唾液には、ネバネバした唾液とサラサラした唾液の2種類があり、前者は交感神経、後者は副交感神経の働きにより分泌が促進されます。緊張した状態だと交感神経が働きタンパク質が多く水分の少ない唾液が分泌され、口の中がネバネバになります。逆にリラックスした状態だと副交感神経が働き、口の中はサラサラして潤います。

02

よく噛まない

耳の前や舌の下、下あごの内側にある唾液を分泌する袋(唾液腺)はよく噛むことで周りの筋肉が動いて、ポンプのように唾液分泌が促されます。よく噛まないとこの作用が低下して唾液量も減少します。

03

口呼吸

本来は、鼻で息を吸って口で吐くのが正常な呼吸ですが、鼻の病気や癖で口だけで息を吸ったり吐いたりすると口の中が乾燥します。

04

唾液腺や全身の病気

自己免疫疾患のシェーグレン症候群や唾液腺自体の病気でも唾液の分泌が減少しますが、糖尿病や腎臓の病気でも多尿と口腔乾燥が起こります。

05

薬物の副作用

降圧剤、向精神薬、抗てんかん薬、パーキンソン病薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳去痰薬、消化性潰瘍治療薬など、副作用として口腔乾燥がある薬が多く存在します。

ドライマウスの原因は?

ドライマウスの弊害

唾液の自浄作用や殺菌・消毒作用が低下すると、細菌やウィルスが侵入して増殖しやすくなります。そのため、口内炎ができたり、むし歯や歯周病が悪化するだけではなく、風邪やインフルエンザにもかかりやすくなります。また高年齢者ではこれらの細菌が知らぬ間に気管に入り込んで誤嚥性肺炎を起こします。特に脳血管障害で嚥下機能や咳反射が低下した人は注意が必要です。

ドライマウスへの対処法

原因となる病気があればその治療を行います。また服用している薬の見直しも大切です。精神的な緊張にはストレスをマネージメントすることも必要でしょう。水分を適度に補給し、うがいや丁寧な歯みがきで口の中を清潔に保つようにします。うがいにはアルコールが含有していない洗口剤を使いましょう。アルコール分が入っている洗口剤だと、かえって口の中の水分が奪われてしまい、口の乾燥を助長させてしまうことがあるからです。重度のドライマウスの治療としては、人工唾液や保湿ジェルを使うこともあります。また食事の時には、ゆったりとした気持ちでリラックスし、ゆっくりよく噛むことを心掛けましょう。